(その3)腎障害とリチウムの処方について

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(質問)
医療用医薬品の添付文書情報によると、リチウムは、腎障害に対しては禁忌(禁止)であり、リチウムの体内貯留を起こすおそれのある患者(腎障害の既往歴のある患者)に対しては慎重投与とされています。
現在、○○内科クリニック(糖尿病専門外来)で2型糖尿病と慢性腎炎の内科治療を行っていますが、すでに持続性尿たんぱく(3.6g/day)となっており、腎症病気分類第3期-b(顕性賢症後期)にあります。
(参考1)腎症病気分類
・第1期(腎症前期)
・第2期(早期腎症期)
・第3期-a(顕性賢症前期)
・第3期-b(顕性賢症後期、1g/day以上)
・第4期(腎不全期)
・第5期(透析療法期)
血清リチウム濃度が1.5mEq/Lを超えたときは臨床症状の観察を十分に行い、必要に応じて減量又は休薬等の処置を行い、血清リチウム濃度が2.0mEq/Lを超えたときは過量投与による中毒を起こすことがあるので、減量又は休薬するとされていますが、腎障害の患者にリチウムを投与し、血清リチウム濃度が3.5mEq/Lを超えたときは人工透析が必要になるといいます。
精神科治療として、リチウム(4T/day、血中濃度0.27)及びバルブロ酸ナトリウム(5T/day、血中濃度43)の併用療養を行っていますが、リチウムは腎障害には禁忌(禁止)であることから、処方の中止を検討すべきでしょうか。現状の腎機能であれば継続して差し支えないでしょうか。
なお、処方の中止をする場合、カルバマゼピンの追加が予想されますが、以前服薬したときに強い副作用(激しいめまい、嘔吐、発汗、物が二重に見える、焦点が合わない)を経験し、服薬を中断したことがあることから、バルプロ酸ナトリウム単剤でのコントロールが可能でしょうか。
(参考2)2008.8.20〜28内科入院時に検査したその他の腎機能の測定値
■クレアチニン値(CRAN)※正常値 0.5〜1.2
・8/14 0.56
・8/21 0.54
・8/25 0.65
・8/28 0.62
■尿素窒素(BUN)※正常値 8.0〜20.0
・8/14 10.5
・8/21 12.1
・8/25  7.0↓
・8/28  8.6

(回答)kyupin kyupinの日記 気が向けば更新 (精神科医のブログ)
 
この処方は謎の処方です。普通、このような方にはリーマスは処方しません。デパケンR、リボトリールくらいです。テグレトールは副作用的に可能なら服用します。

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